西郷隆盛に抱く人々のイメージ

西郷さんを何回か描いていて、思うことですが鈴木西郷さんは、やはり「あの西郷さん」ではない。

西郷隆盛(せごどん・さいごうたかもり)の肖像

それが私をはじめ中高年以上のイメージにそぐわない。だから違和感があるのです。

西郷どん 後編 (NHK大河ドラマ・ガイド)

私達がこうであろうと思いこんでいる西郷どんは、ただのイメージにすぎない。肖像画の西郷さんは、真実の西郷どんではないらしいのですが

すでに西郷さん=眉が太く目がパッチリというイメージは定着した共有神話そのものです。

似顔絵や肖像は理想の形を具現化する側面がある

似顔絵=似ているもの、という概念が強いですが、本来、似顔絵は似ている顔という意味ではありません。

自分の脳内の自分、そうなりたい自分、回りからこう思われたい自分 という偶像的な願望

です。それをカタチにするのが似顔絵、肖像です。芸術活動はそういった意味あいにより古来より発展しています。

そうでなければ、つまりは、写真でいいはずですから…。

偶像は神話であり、神話は現実を凌駕する「真実」でもあります。「真相」より「真実」であるからこそ似顔絵や肖像画は人々に愛されるのです。

似顔絵=似姿=肖像は神話そのものです。

西郷さんの容姿は人々に愛されるあまり、偶像化されすでに神話となっているのです。これを打ち壊すのは容易ではありません。

俺物語!!

もういっそのこと、俺物語!!のメイクで大河ドラマ「西郷どん」もやっちゃった方が視聴者は満足すると思うのですが。どうでしょうね。

西郷さんはキレイなジャイアン

ああいう感じの人が西郷さんである、偉人である、という偶像を共有します。そこに肖像画のイメージ付け、似顔絵の功罪があるのです。

本来なら↓こうではないか。

人々の思う九州男児のイメージ
こうあってほしい九州男児

つまり西郷さんはキレイなジャイアン 目がキラキラ デブ 眉が太い 犬を連れていたら完璧です!

UDF きれいなジャイアン(ノンスケール PVC製塗装済み完成品)

それが長い間の共有された日本人の西郷隆盛の記憶、イメージ、偶像、歴史神話そのものです。

漫画の九州男児がのきなみ西郷どん

でその流れで、なぜか、マンガのキャラも鹿児島人=西郷どんになっちゃうんですね。

私は最近まんがのオトナ買いをして大量に読んでるんです。

読めば読むほど出てくる九州男児が西郷さん。西郷さんこそ、鹿児島県にはじまる人々の九州男児のイメージ。かなり西郷さん寄りに固定されています。

特に熊本・鹿児島人の西郷的キャライメージの定着は恐れいります。

九州に限らず、どの県もこういうキャラじゃないかというイメージはあって、例えば大阪の人は図々しくて明るい、とかあります。

が、九州男児の西郷さんベクトルはひどすぎます。

男ドアホウ甲子園 知覧

男ドアホウ甲子園 知覧

「男どアホウ甲子園」の九州キャラ 知覧 名前がもう右翼そのものだし、眉太い 目がぱっちり。

死球を恐れない特攻精神が持ち味。

男どアホウ甲子園ウィキにはあります。

この知覧、極右キャラなのはいいのですが、ピッチャーの剛球を身体をはって止めるのです。腹のど真ん中でいちいち「ぐふっ」と受け止めたり「特攻精神」で死を覚悟してバッターボックスに立つ。カッコいいんだかただのアホなんだか。右翼にも左翼にも失礼です。九州人は皆こうなのかと誤解されかねません。

九州の男性が全員、猪突猛進で純朴で毛深く、太っていて目がパッチリというキャラ設定なはずはありません。

九州男児がすべて西郷さんなわけはない!

たとえば同じ鹿児島人である西郷さんのライバルであり親友だった大久保利通さん。彼は権謀術数でシュッとした人です。九州人が全員デブで犬を連れているわけではありません!

大久保利通(おおくぼとしみち)さんの似顔絵

毛深いといえば毛深いですが…。そんな九州の人がみんながみんな西郷さんのわけありません。

源流はこのキャラでしょう。梶原一機と川崎のぼるが最初の戦犯かもしれません。

新巨人の星 飛雄馬VS左門豊作の執念!! アンコール刊行 (講談社プラチナコミックス)

「巨人の星」の左門豊作。

決戦! 飛雄馬対左門

熊本県人ですが、彼のマユの太さ、目のパッチリさ、強さ優しさ、肝の据わり方は西郷隆盛のイメージそのものです。

だいたい「豊作」ってなんでしょうか。なんでこんなダサい名前をつけるのか。一方ライバルの東京人の主人公は「星飛馬」。かっこいいですね。現在でもかなりイケメンきらきらネームのはずです。

東京人の九州人に対するイメージの偏りさかげんに少し反感を持ってしまいますね。

熊本県人 漫画のキャラクター

「弱虫ペダル」の熊本県人。

「どがんすっとか!」とお国言葉丸出しです。きっとこの漫画のように、そんなに「ごわす」「ごわす」など言ってないでしょう。普段から。

こうであってほしい京都人の似姿、御堂筋くん

京都だって「どすえ」なんて言葉、京都人から一度も素で聴いたことないんですが。

京都人 御堂筋アキラくん
みんな大好き京都人「弱虫ペダル」御堂筋くん

京都人は(確かにイケズなとこありますがw)こうまでキャラづけされる覚えはありませんことよ。

おもしろいけど…ww

東京だけが中央集権のスタンダードで、他府県は規格外の方言丸出しの変キャラにしやがって…。この位濃くキャラ付けしないと面白くならないんでしょうけどねえ。

九州人=真っすぐで眉が太く目がキラキラ=西郷さんイメージ であるのは、西郷隆盛というキャラクターが日本人にとって本当に愛され崇拝されているからなんですね。

西郷隆盛を主人公にした漫画は少ないですね。小説は多いけど。

西郷さんの漫画は学研学習漫画のようなものが多い。

西郷隆盛主人公でジャンプやサンデーでヒットは飛ばない。企画にならない。坂本竜馬や桂小五郎はあったのに。

西郷隆盛は人々の敬愛の対象ではあるけど、少年たちの感情移入しやすいヒーローじゃないのかも。