自分の描いていくスキマを探そう

さて、昨日の記事の続きです。「似顔絵師になるには」でググると、エライこと厳しい記事が続き、ちょっとやそっとで仕事になるもんじゃない、というのが専らでした。

しかし、スキマというのはあります。

私は年寄でコミュ障で下手くそなのに、なんで何とかなったのかな、なってるのかな、と考えてました。実際、そういうニュアンスで聞いてくる方もいましたね。「なんであなたは(私より下手なのに)なんとかなってるの?」と(笑)

まさになんとか隙間をねってやる、ということに尽きます。

私がなんとかかんとかやってこれたのは、他人の意見や先人のやり方を踏襲することにまったく興味がなかったからです。

興味がないというか、まあ、やっても無理やろ、と。そんな努力何年もしてたら、私みたいな年寄は介護される年になってしまうがな(笑)と。

業界に自分が明らかに合ってない

絵描きさんって同業者同士で仕事を分け合ったり結束したり、あるいは競争しているんですね。(似顔絵に限りませんが)人口が少ないせいもあり、SNSでも人間関係がなんとなく閉じているように感じました。

私はこういう芸術家肌のサークルめいた人脈が作りたかったのかな?なんか違うわ。とだんだん思うように。

もちろん作家さん同士の人脈で高額なイベントやツテを得るというメリットはあるし、勉強して切磋琢磨できます。

色々な団体や会社で勉強させてもらって、素晴らしい人ばかり。有名似顔絵師さんもまさにカリスマです。「好き」の情熱も富士山どころかエベレスト級…。アーティストさんだからオシャレでセンスのいい若い人ばかり。

そんなに絵を描くのが好きじゃないしなあ、毎日ゴロゴロしてオヤツ食べてアニメとマンガばっかりのオバサンの私って…。ともう場違いはなはだしく。

私は、もう参入したときエライこと年寄だし(40すぎ)こんな若くて情熱と才能のある人らと競争しても無駄だし、延々と団体や会社でも修行しても先が見えてる、と早々に諦めたんですね。

※もちろん、技や基礎を身に着けるためには、一度はプロ集団の中に身を置いた方がいいですよ!これは絶対そうだと確信します。最低でも1年は。

私は1年くらいいて、区切りを付けました。体力的にも経済的にもこりゃ、もうあかんわ、と。

だって、明らかにこりゃ天才やわ、かなわんわ、という人がワンサカいはるんやもん。観光地とかの席描きは絵師さんが数人、並んで描いていて、0か100なんです。圧倒的に上手い人のところに客が殺到するか、まったく閑散として閑古鳥が鳴くか。

あの人は空いてるから、下手だけど、描かせてやるか、という客はいないんです。並んででも長時間待ってでも、好きな絵師のところに行くのです。そのくらい今の日本人は絵を見る目が肥えています。一日1000円くらいしか儲からず、交通費が回収できないなんてことはザラでした。それが修行といえば修行なんですが。1年やれば十分ちゃうか、と。

あと、自分が明らかに体力がない。集中力がない。席描きは、目の前の客を10分程度で描く技術が必要ですが、5人も描いたらもうヘトヘトです。ゆっくり描いていたらダメだし、かといって無言で描いていたら客の表情もこわばるので、トークで楽しませねばならない。

だんだん技術が身について売れるようにはなってきましたが、体力がないのは絶望的です。集中力が落ちてしまって無理くり描いたものを顧客に渡すたびに帰りの電車で辛くて泣けてきました。あんなの渡してしまった。大切な顔を描かせてもらったのに…。大事な結婚式やプレゼントに使ってもらうのに、あんなの売ってしまった、と。

とはいえ、席描きは完全歩合制なので、数をこなさないと、儲けが出ません。主催会社にも半分納めるので、数をこなさないと注意を受けます。

実力があるから独立したんじゃない

ということで主流になろうなんて絶望的。でも、他に出来ることはなし、なんとかスキマでやる方法はないか。

数をこなせないので、団体所属は無理。さらに遠出のイベントは疲れはてて倒れる。重い荷物持って、日本全国あちこちなんて、無理無理。

独立するしかなかったです。なので、上手くなれば独立、という目的の人は多いですが、いたしかたなく独立、というのが私の結論でした。

今にして思えばそれが良かったです。

しのぎを削って競争する専門団体所属にも良いところはありますが、独立するとなれば、違うスキルが必要だと痛感しました。

ひとりでやる、ことと、みんなでやる、ということは全く違います。

なんで独立したか考えた

私は結局、王道のレール(?)であると他者が言っていることを早々に放棄したんですね。(もちろん練習は大事ですが。)

似顔絵の王道は席描きです。イオンや娯楽施設で、人気似顔絵師さんに人だかりが出来て行列、あの作家さんみたいにテレビにも出演して…っていうのを目指したいんかな、自分、と。いや違うわ。

よく考えよう、考えるんだと考えました。

私は40過ぎて何故、似顔絵描いていたのかというと、その前に乳がんになったんです。それまでやっていた漫画家やWEBデザイナーやコーダーの仕事が激烈で、身体を壊したんですね。

で、京都の観光地で描かせてもらったら、20年ぶりに絵筆を持って楽しかった、それだけでした。なんでもいいから働きたかったんです。手荒れするから飲食店は無理やし。たまたま縁があった似顔絵店がやとってくれて。

で、もうちょっと上手くなりたいと思って、大阪の有名似顔絵会社に所属させてもらった。そこでの修行はめちゃめちゃ役にたったんですが、激烈すぎて、ある日倒れてしまい終わりました。それもそうです。抗がん剤で癌はありがたいことに寛解しましたが、身体がもう治療で免疫が落ちていて、フルタイムでやれない。その前も寿司屋のバイトで倒れてたので、あの頃は数年はバタンバタン倒れてましたね。

で、会社員に復帰したいが、それは無理やろ。パートもいいが、時給がひどすぎるなあ。私は一生仕事したいけど、この年の女性が仕事しようにも非正規で時給の低いのしかありません。元のWEB系はブラックばかりです。(あのデザイン・WEB制作のブラック度を思い出すと、似顔絵業界なんて厳しいとはいっても全然天国のような気がする)

なにより、まだ子供が欲しかったので不妊治療ももう一度やりたい、親世代は80代70代で介護も目前。夫は転勤族で、いつ他の土地にいくか分からない。

しばらく地元のフリマで似顔絵描いていましたが、席描きを地道にしたり、生命保険のイベントに呼んでもらっても、引っ越したらアウトです。似顔絵のいいところは、地元との繋がりで、仕事が取れることです。そういう人脈を一生懸命作っても、いずれは無駄になるんだあ、と。

インターネットで似顔絵を売ることに

で、独立してネット販売するかな、と。

あれもだめ、これも苦手、これも失敗して消去法のあげく…

くだんの記事では、売れない人に限ってネットで売ろうとしてダメになるのだ、と書いてあり、まあ、その通りっつうたらその通りなんですが(笑)

パソコンで絵を描く女性

結果的に

体力がない 病気あがり 更年期 不妊治療 介護目前 転勤多発 出張無理 地縁人脈無理

というナイナイ、無理無理のてんこ盛りのマイナス要因が重なっての独立です。

通常の独立フリーとは、普通はプラス要因からのはずです。

似顔絵師さんなりイラストレーターさんデザイナーさんの独立とは、実力が十分になり、人脈も作ったステップアップのはず。

しかし、私はまったくの反対で、消去法のあげくいきついた独立なのでした。とほほですが、こうなっちゃったものは仕方ない。

独立といえば、ホームページやなあ。と。でネットショップ作ることにしました。

在宅で似顔絵を描くこと

それまでも席描きと並行して、楽天の似顔絵サイトや結婚式専門のサイトさんから請け負ったり、ココナラとかメルカリだとかも出品したりして在宅で描くことは慣れてました。

※こういうのも下手な人はダメ!という意見もありますが、最初は少額でも在宅で請け負う連続に慣れるのは大事じゃないか。席描きと在宅描きは同じように思われますが、まったく過程も商品も違います。何より、全て写真からです。ネット上のやりとりが必須となり文章接客のスキルも必須です。当たり前ですが、納期を守るとか、誤字脱字がないか、とか。意外にそれが一番大事だったりする。ともかく慣れて数こなせばなんとかなります。

在宅なら、体調が悪くてもジャージのままベットの脇で描き続けることが可能だし、何よりも10分で描かなくていい、時間を気にせず丁寧に満足のいく完成度を目指しても誰も文句を言わないわけです。

在宅描きで独立する自由です。

最近は体力が回復していて、そんなだらしない描き方はしませんが、昨年、親戚で不幸があったとき、絵の道具一式持って手伝いに行きました。新幹線でも描いてました。顧客とのやりとりはスマホで出来ます。

ホームページ&ネットショップは必須

自分でALL独立しなくても、ミンネにしろココナラにしろCtoCの販売サイトが今やあるんだからいいじゃない?自分でネットショップしなくても、という方針の人もいるでしょう。

ランサーズにも時々似顔絵の募集もあります。

それでも、軸として自サイトは必要なのでは。

特定のシステムやクライアントを通すこと、似顔絵のネットショップ経由はマージンがもちろん抜かれる。新興起業家の多いネットショップ請負会社の経営状態も不透明です。(支払いが滞ったり不利な条件で描くことを要求する会社もありました)

誰かにいつも管理マネジメントとマーケティングを頼ることは、集客や営業の必要がなく、描くことに集中できる長所があるのです。が、結局、どこかに所属するのと変わりなく、不安定な立場ということも忘れてはいけないのでは。

私はどこにいても不安定なら、完全に独立して、自分だけで自分の小舟を漕ぎたいと強く願いました。

誰もどこも介さずに似顔絵を描くには、ホームページとネットショップを作ることが必須です。

続く