昔の人は名前がコロコロ変わる
西郷隆盛の大河ドラマが新年から始まりましたね。
昔の人は何度も名前が変わるんで(名字も) 西郷さんは最終形態が(シンゴジラかw)西郷隆盛さんなんです。
幼名は小吉、通称は吉之介、善兵衛、吉兵衛、吉之助と順次変更。
出世ごとやら色んな事情で名前の変わるんですね。だから「夫婦同姓が日本の伝統」だとか言うのは実は嘘で、つい100年前までは皆てきと~に名字も名前も変えていたわけです。
西郷さんといえば大きな身体が印象的ですが、小さい頃は小吉って呼ばれていたんですね。なんだかかわいい。
桂小五郎も名前がいろいろ
この長州の桂小五郎さん。
”小”五郎ってなんでしょうか。
名前、名づけのことです。ちょっとひどくないですか。
五郎という名前は五男(五番目の男の子)という意味かと思いきや長男さんです。そこににさらに「小」がつくのは子供にひどいんではないでしょうか。
この時代は名前は適当なんですね。
キラキラネームとかの昨今ですが、あの頃に比べりゃましではないか。
昔の人もカンタンに名前を変えてたんだから、よほど嫌なら変えてしまえばいい。この頃の子供は多産なうえ死産が多く、名前はテキトウに付けてるんですね。
多少、キラキラしている名前でも親御さんがほんと一生懸命心を付けた名前なんだから、この時代にくらべたらホントに子供は愛されている。だから多少からかう人がいても親子で堂々としてりゃいいと思うのです。
名前負けの反対、「小」とついているのに、維新の立役者の一人、明治の大偉人となり、牽引してくださったのが桂小五郎さんという人。
後に木戸孝允(きどたかよし)という名前に改名しています。
モテモテの長州藩士
桂小五郎さん、見ていただいたら分かるように非常に男前。端正なお顔立ちで、非常に女性にもてた。
頭はいいし、剣の達人。
京都で長州藩士が追いかけ回されていたとき、桂さんをかばったのは幾松(いくまつ)という美女。
うちの近所の料亭「幾松(いくまつ)」
ここに桂さんが隠遁していたとか。(諸説あり)
あんな男前がホッカムリをして、京都の三条大橋の下を逃げ回っていたかと思うと、あの橋の近くを通るたびに不思議な気持ちになります。
変な人の中にいるフツーの人
この人のキャラは不思議で、
異能、変人、狂人、といった長州のキャラの中で、一人だけ普通の人なんです。不思議な存在です。
皆が攘夷の狂気に沸き立っているときに、ちゃんとしているからより目立ち、男前さ=平凡に思えるくらい。
ドラえもんのデキスギくんのキャラが意外につまらないような感じに似ています。
桂さんは変人だらけの長州藩で、絶妙にバランスを取って、立ちまわっている。
さらにはマネジメントが上手いんですね。全体を見て人を上手く配置して長州藩を維新の起爆所にします。
人を見る目があり、通常なら こういう変すぎるからはずしとこう、という人材を
あの人はここは苦手だけどここは得意だからこの部署で活躍させよう、とか適材適所をするんです。たとえばあの大村益次郎さんとか。
桂小五郎さんのようなタイプ、上司にも部下にいても優秀なんじゃないか。
「普通の」すごい人なんです。この普通というのが「平凡」という意味ではなく、ほんとに天才的な調整役という意味です。
真面目で悩みやすいイケメン、桂小五郎の似顔絵
心もまっすぐな人で、友情に厚い。ズルいところはなく、他人をいいところを見出す天才というか。
こういうイケメンって強烈な個性はないけど、愛されるし、重用されますよね。
描いていて、思いましたが、気鬱な雰囲気のある人です。実際、晩年はウツ病にかかり引きこもりがちだったとか。
こんなにヤバい変革の多い時代にこれだけ気を遣って立ちまわった人です。一生懸命真面目にやりすぎてバーンアウトしちゃったんじゃないか。
桂小五郎さんが現代にいたら「いい人」として働きすぎる社畜になりそうです。